ウルトラマンタロウ
基本設定
ウルトラの父とウルトラの母の実子。
ウルトラセブンの実母(故人)がウルトラの母の姉であるため、セブンとは従兄弟(セブンがタロウの従兄)だが、この設定は現在では使用されていない。
孤児でウルトラの父と母に養育されたウルトラマンAは義兄、ウルトラマンタイガは実子に当たる。
また、主題歌の歌詞では「ウルトラマンNo.6」と呼ばれている。
光の国では「タロウ」という名前は「勇気を持ち正義を愛する者」という意味が込められている(命名したウルトラの父は後に地球にも同じ名前があると知ったという)。
企画書では「11の技を持つヒーロー」とされている。
ウルトラ兄弟が集結した第33・34話で「兄に頼りがち」や「増長しやすい」と演出されているが、これは第33・34話のみのことである。
エースの後を受けて地球防衛の任務に就き、地球では宇宙科学警備隊ZATの東光太郎と一体化して超獣以上の力を持つ怪獣や宇宙人と戦う。
空に飛び立つ時の掛け声が第22話までは短く低めだったが、第23話からやや長く高めになっている(第5話でセブンが空に飛び立つ時の掛け声の流用)。
また、光太郎のボクサーとしての資質が変身後も引き継がれている。
他のウルトラマンとは異なり、必殺技の名前を呼びながら使用し、戦闘時は無言で戦うことが多い。
胸のタロウプロテクターは、セブンのプロテクター同様にあらゆる攻撃から身を守る。
また、セブンのような真紅の体はスーパーボディと呼ばれ、全身にストリウムエネルギーが流れている。
頭部のウルトラホーンは超戦士の証と言われ、それを証明するかのように他のウルトラ兄弟を超えた能力を誇る。
ウルトラダイナマイトなどで体がバラバラになっても、ウルトラ心臓が無傷なら再生可能。
第10話でデッパラスの牙が腹部を貫通しても怯まなかった。
戦闘中にカラータイマーが点滅することが少なく、戦闘終了後に点滅することが何度かあった。
また、第29・30話のように他のウルトラ兄弟ならカラータイマーが点滅するであろう大ダメージを受けたにもかかわらず、カラータイマーが点滅しなかった。
腕力はウルトラ兄弟の中で一番のパワーを誇る。
映画『ウルトラマン物語』ではウルトラ5兄弟のエネルギーをウルトラホーンに吸収して超ウルトラ戦士(スーパーウルトラマン)にパワーアップし、6兄弟が束になっても苦戦したグランドキングを圧倒した。
第53話でウルトラバッジをウルトラの母に返し、光太郎としてバルキー星人を倒した後、光太郎の姿のまま旅立っていった。
後の『ウルトラマンメビウス』では、『ウルトラマンメビウス』物語開始(ウルトラマンメビウスが地球防衛に就く)20年前=1986年に光の国に帰還し、現在は宇宙警備隊の筆頭教官として後進の指導に当たっており、メビウスも教え子の1人である、と新たに設定された。
変身アイテム
変身者
変身者について
22歳の明るく活発な好青年。
正義感が強く、生身で怪獣に飛びかかるというやや無鉄砲で破天荒な行動を見せる。
世界中を旅した後、白鳥船長のタンカーに便乗して日本に帰国。
オイルドリンカーやアストロモンスに立ち向かった勇気と行動力を評価されてZATに入隊後、アストロモンスの攻撃によって瀕死の重傷を負ってしまったが、ウルトラの母とウルトラ5兄弟の導きでウルトラの国に運ばれてウルトラマンタロウと一体化して復活する。
普段は恩人でもある白鳥船長の家に下宿しており、白鳥船長の子・さおりや健一とは本当の家族同然に仲がよく、健一からは兄のように慕われている。
また、その明るく子供好きな性格でZATの仲間たちとも良好な人間関係を築き上げ、事件の渦中で知り合った子供たちとも心を通わせる。
元々はボクサー志望だったため、ZATに入隊後もボクシングジムに通い、朝のロードワークを欠かさず行っていた。
第10話では、減量に耐えながら臨んだ日本アマチュア新人王戦で見事にKO勝ちした。
ボクシングは自分のため、最後の最後まで戦い抜くためにやっている。
第53話で白鳥船長を失って心が荒んだ健一に真の勇気を示すと同時に、自身もタロウの力に頼らずに生きることを決意。
ウルトラバッジをウルトラの母に返し、タロウに変身せずにバルキー星人を倒した後、ZATを退任して銀座の雑踏の中に消えていった。
『ウルトラマンメビウス』以降の作品にタロウが登場しているが、篠田が出演していないために光太郎は登場していないと同時にその後についても説明されていない。
本放送終了後、学年誌ではウルトラバッジの返還時にタロウと分離していたと解説されていた。
装飾品
タロウが左腕に嵌めている、ウルトラハードスチールでできた攻撃機能を持つ小型ブレスレット。
コスモリキッドに対して使用した小型で両刃の鋭い槍・ブレスレットランサー(ウルトラランサー)に変化する他、オカリヤンの口を封じるために使用されたリング状の光線・セット光線(リング光線)を放つ。
劇中では2度使用されている。
ブレスレットを変化させたのがランサーのみであったため、「タロウブレスレットは一度しか使用されていない」とする文献もある。
『ウルトラマンレオ』第34話に客演したウルトラマンジャックは、ウルトラブレスレットではなくこのタロウブレスレットを装着していた。
第19話でウルトラの母から授かった、ダイヤモンドの1000倍の硬度を持つウルトラ・メタリックガード超合金製のブレスレット。
宇宙科学技術局が開発した。
本体部のサークルクロスに、太陽エネルギーを吸収する王冠状のクラウントップやその中央のエネルギーコントロール装置であるウルトラ・パワーダイヤ、エネルギー放出機のウルトラ・バルブスターなどの様々なメカが搭載されている。
タロウのテレパシーを感知して変形させることで口輪やマジックハンド、水の入ったバケツに姿を変える他、ブレスレットリライブ光線やドライヤー光線を放ったり、タロウバリヤーを発動するなど数々の能力を持つ。
後のシリーズ客演時には一度も使用されていないが、映画『大決戦!超ウルトラ8兄弟』の初期プロット「ウルトラマンメビウス&ウルトラ兄弟2」では使用している。
本来はゾフィーが対バードン戦で使用する予定だったとも言われている。
ポーズ一覧
光線・技の一覧
- ストリウム光線
タロウが最も多用した必殺光線。
開いた右手を頭上に翳し、同時に左手を腰に当てる。
両手に重ねてスパークを起こし、腰に添えて大気中の宇宙エネルギーを全身に吸収する。
そして、右手に上げた左手を重ねてT字型に構えて左手全体から発射する。
場合によっては、いきなりT字型のポーズを取る。
当初は技の発動時に
「ストリウム光線!」
と声を発しており、エネルギー充填時に身体が虹色に光っていたが、第23話を最後に見られなくなった。当時の雑誌設定には技の上達によって光らなくなったと解説されていたが、『ウルトラマンメビウス』以降の作品ではこれらの描写が復活した。
他のウルトラ戦士の光線技と違い、連射が可能。
Aのメタリウム光線の倍以上の破壊力を持つと言われ、ウルトラ戦士の中でもトップクラスの威力を誇る。
内山の漫画版『ウルトラマンレオ』では、レオのエネルギーを借りて左側に反対の構えで並んだ彼と2人同時に放つダブルストリウム光線を用い、ウルトラキラーゴルゴを倒している。
『劇場版 ウルトラマンタイガ ニュージェネクライマックス』では、グリムドに憑依されていたことから闇のエネルギーが加わり、光線の色が変化した。
タイガのストリウムブラスターとぶつかり合った。
- アロー光線
ウルトラホーンのわきからエネルギーをくさび形光線にして飛ばす。
素早く繰り出せるので、繋ぎ技として使う。
ピッコロとメモールに使用。
- ブルーレーザー
ウルトラホーンから放つ青い破壊熱線。
別名ホーンレーザー。
ボルケラーの口から引き出した胃袋、タイラントの鞭、ジレンマの舌を焼き切った。
『劇場版 ウルトラマンタイガ ニュージェネクライマックス』では、グリムドに憑依されていたことから光線の色が赤く変化した。
ロッソとブルを一撃で瞬殺した。
- シューティングビーム
両手先から放つエネルギー光線。
グロストや、ミラクル星人のビー玉で凍ったテロリスト星人を倒したが、テンペラー星人には無効だった破壊光線タイプ(爆発タイプ)と、ゴンゴロスとグランドキングに大ダメージを与えた麻痺光線タイプ(麻痺タイプ)が存在。
- ハンドビーム
(スカーレットビーム) 手先にエネルギーを集中させ、断続的に放つ赤い破壊光弾。
第16話でオカリヤンを倒した。
- フット光線
ジャンプして、スワローキックのポーズで両足から赤色光線を撃ち出す。
第23話でロードラの首と腕を跳ね飛ばしたが、すぐに再生されてしまったために通用しなかった。
- 反重力光線
第8話でトンダイルが沼の底に蓄えていた球体を浮かび上がらせた、腕から放射する反重力。
- タロウカッター
腕を十字に組んで発射する、2連の三日月型のカッター光線。
一度に2発発射され、敵を切り裂いて戻ってくる。
第34話でテンペラー星人の両手を切り飛ばした。
- ビーム手裏剣
右手に破壊エネルギーを集中させ、手裏剣状ビームを作り出して投げつける。
第47話でゴルゴザウルス二世を倒した。
- ワイプレーザー
第7話でガンザの泡攻撃で泡まみれになった時に使った光線。
帯状の光線で全身を包み、泡を洗い流した。
- 成長停止光線
第7話でガンザの腹から生まれた子蟹に当てた光線。
巨大化しないよう、成長を停止させた。
- リライブ光線
生命エネルギーの治癒能力や活性化を有する光線。
トンダイルに捕らえられた人々の意識を回復させ、負傷したフライングライドロンの子怪獣の羽根を治癒し、壊れたアンドロイド聖子を宇宙の星に再生するなど、活躍の場が多かった。
- プッシュリターン光線
半球状の光線バリヤー。
敵の攻撃を防ぐだけでなく、バリヤーを前に押し出すことも可能。
アリンドウの蟻酸とボルケラーのガスを押し出した。
- ウルトラシャワー
両手先から水流や消火液を噴射する。
第19話と第28話で火災を鎮火したほか、第41話では落書きから生まれたゴンゴロスの体を濡らして手で拭き消した。
第9話ではアリンドウにも浴びせている。
- ウルトラフリーザー
「ウルトラフリーザー!」
の掛け声とともに、熱エネルギーをマイナス変換させて両手先から放射する絶対零度のエネルギー。コスモリキッドとライブキングを2体同時に凍らせたほか、ゲランも凍らせている(この時はガス状だった)。
- タロウファイヤー
体内の熱エネルギーを火炎に変換させて、両手から放射する。
1000メートル以上の射程を誇る。
第31話でお化けキノコを焼き払った(小さいキノコが1本だけ残っており、これがマシュラになった)。
- ウルトラダイナマイト
タロウ単体では最大の破壊力を誇る必殺技。
自分の体に体内エネルギーを充満・放出させ、自らを燃え上がらせて爆弾にして相手に突っ込んでいく自爆技。
相手もろとも大爆発したあと、タロウは自身の再生能力で復活する。
本編では自分の優しさを踏みにじったカタン星人を倒す際に使ったが、再生に成功しても多大なエネルギーを消耗して寿命を縮めるために封印した。
しかし、『ウルトラマンメビウス』第30話でインペライザーを倒すため、『ザ・ウルトラマンメビウス』でもカタン星人の別個体を倒すため、封印を破った。
1回使用しただけでタロウの寿命が20年短くなるという。
映画『大怪獣バトル ウルトラ銀河伝説 THE MOVIE』では応用し、ウルトラマンベリアルによって奪われたプラズマスパークの残された最後の光を命懸けで守り、ウルトラマン、ウルトラセブン、ウルトラマンメビウスに後を託した。
『ウルトラマンメビウス』では爆発の際の肉片を見せないように爆発を派手にし、木っ端微塵になるように演出されている。
『劇場版 ウルトラマンタイガ ニュージェネクライマックス』ではグリムドに放つが、肉体の再構成時にグリムドに憑依された。
闇墜ち状態で放った際には炎の色が紫に変化し、タイガのウルトラダイナマイトとぶつかり合い、最初はタイガを圧倒したが彼の仲間たちの協力によって逆転、正気に戻った。
- タロウジャンファイヤー
(ファイヤーダッシュ) タロウの体に充満させた熱エネルギーを放射して一気に飛ばし、灼熱の火炎で敵の体を焼き尽くす能力。
ストリウム光線の通じないアリンドウにウルトラシャワーを浴びせてからこれを使って倒した。
- ウルトラ念力
強力な念力を放つ。
第14話でエンマーゴの剣で首を切り落とされ、上述の自己再生能力とお地蔵様の加護で復活したタロウが念力を放ち、油断しているエンマーゴの首をはねた。
『ウルトラマンギンガ』では、スパークドールズの姿でも使用できる数少ない能力の1つである。
- コスモミラクル光線
『ウルトラマン物語』で使用。
ウルトラ6兄弟の力をウルトラホーンに集め、普通状態の数十倍の戦闘力を持つスーパーウルトラマンになったタロウが放った宇宙最強の光線。
- ウルトラチャージ
映画『ウルトラマンメビウス&ウルトラ兄弟』で使用した、緑色の光エネルギーを他のウルトラ戦士に分け与える能力。
Uキラーザウルス・ネオと戦うメビウスやウルトラ兄弟の救援に現れた際、両腕からウルトラマンとセブンのカラータイマーに向けて放って回復させた。
- スーパーウルトラダイナマイト
『ウルトラギャラクシーファイト ニュージェネレーションヒーローズ』で使用した、ウルトラダークキラーを倒した技。
ウルトラ5兄弟からエネルギーを分け与えられ、パワーアップした状態で使用。