幻覚宇宙人 メトロン星人
基本設定
『ウルトラセブン』第8話「狙われた街」に登場。
宇宙の彼方にある紅い星メトロン星から地球に侵入した宇宙人。
狡猾な戦略で知られ、地球侵入以前にもいくつかの星を侵略している。
地球上では北川町のとある安アパートを拠点として黒スーツの人間男性に変身し、駅前の自動販売機に後述のたばこを補充するなど、暗躍していた。
アパートに乗り込んできたダン=ウルトラセブンとは本来の姿で対面して朗ほがらかな口調で語りかけ、ちゃぶ台を挟んであぐらをかくという人間社会にすっかり馴染んだ姿を披露する。
たばこの中に地球人を発狂させて周囲の者がすべて敵に見える効果を持つ赤い結晶体を仕込み、これを吸引した地球人同士が殺し合うことで、最終的には地球人類が死に絶えるのを待って地球を乗っ取ろうとたくらむが、アパートに乗り込んできたダンとの会話を経て追ってきた彼とメトロン円盤に乗り込んで飛び立つもウルトラホーク1号に撃墜され、巨大化する。
夕陽に照らされる北川町を舞台に展開されるセブンとの戦闘では、四肢を大きく振り上げる独特の走り方で交戦するもすぐに逃亡を図って飛び去るが、最後はアイスラッガーによって空中で縦真っ二つにされたところにエメリウム光線を受け、爆発する。
また、『ウルトラマンマックス』第24話「狙われない街」にも登場。
この時は別名は対話宇宙人と紹介されている。
『ウルトラセブン』に登場したメトロン星人と同一の個体。
セブンとの戦闘後、北川町で楢崎ケン少年に拾われ、円谷プロダクションの通称「怪獣倉庫」に連れられて彼の父親に「治療(=修繕)」を受けたことで一命を取り留めていた。
このため、セブンのアイスラッガーで斬られた中央部分には縫い合わせた傷跡がある。
命の恩人にして現在は刑事となった楢崎と再会した際には固い抱擁を交わしたり、北川町の変化を悲しんだり、近頃の若者を「猿」とこき下ろしたり、お土産に地球のものを色々見繕ったり、巨大化した後も夕焼けに染まる北川町を眺めて「美しい眺めだ」と感慨に耽ったりと、潜伏中の40年間で相当地球に馴染んだ様子がうかがえ、愛着と哀れみの感情を見せる。
携帯電話に高出力の電磁波を流し、地球人の脳の前頭葉を萎縮させて無気力化・凶暴化させることで再度地球侵略を図っていると思われたが、実際にはメトロン星人はすでに地球人は携帯電話などの便利なツールによって低脳化して自滅的退化を始め、放っておいても滅びると見切りをつけて侵略を中断しており、前述の計画はそれを「ちょっと手助けしてやっただけ」であった。
カイト(ウルトラマンマックス)にダッシュライザーを突きつけられながらも、それをなだめながら缶入り茶の眼兎龍茶(めとろんちゃ)でもてなし、さらにじゃんけんをしたりと冗談めいたやりとりをした後、巨大化して40年前と同様に暮れなずむ北川町でマックスと対峙する。
しかし、前述の走り方で突進するふりだけの足踏みをして街の夕暮れを一瞥すると、「夕焼小焼」のBGMの中、迎えのメトロン円盤に乗って戦わずに母星に帰る。
拍子抜けしたマックスは、ただ手を振りながら見送る。