三面怪人 ダダ
基本設定
『ウルトラマン』第28話「人間標本5・6」に登場。
3種類の顔を持ち、それぞれを使い分けることが可能。
物体をすり抜ける移動能力、人間への憑依や透明化、瞬間移動や奇妙な発光現象によって人間を硬直させるなどのさまざまな超能力を持つ。
ただし、特殊重金属で造られた壁は通り抜けられない。
常に心臓の鼓動のような不気味な音を発している。
劇中ではダダの1人・271号が地球へ侵入し、母星にいる上司からの使命を帯びてダダ時間222以内に一定以上の生体反応とIQの数値を持つ地球人の人間標本を6体採取するべく暗躍する。
奥多摩の日向峠山頂にある宇宙線研究所を占拠し、全所員のうち4人をミクロ化器で標本化した後、研究所に近い日向峠で路線バスの転落事故を引き起こし、失神した乗客の中から2人を標本化しようとテストを続けていた。
研究所の動力室には小型のエレクトロニクス動力源やダダ星との転送システムを運び込んでおり、外部との一切の連絡を遮断する環境や、母星との交信・分子レベルに分解して再構成した物質の転送を可能にする環境を作り出している。
宇宙線研究所が271号に占拠されてから1週間後、イデが収容された病院へ助けを求めてきた所員の通報で事態が発覚するが、271号は研究データを取りに訪れた中央宇宙原子力研究所の秋川叶子技官が適性に合っていたことから、彼女を5番目の標本にしようと目論むと、3つの顔(赤目のA、青目のB、黄目のC)でダダが多数存在するかのように見せかけながら、超能力によってムラマツたちを追い詰めていく。
しかし、ムラマツからの連絡で事態を知ったハヤタがウルトラマンに変身して宇宙線研究所に向かったため、271号はムラマツたちの追跡を後回しにしてウルトラマンの遊撃に向かうが、まったく歯が立たないうえにスペシウム光線で顔面に酷い火傷を負わされ、一時撤退する。
その後、271号は宇宙線研究所の屋上でムラマツたちにミクロ化器を突きつけて追い詰めるが、足を滑らせて屋上から落下した彼らはウルトラマンに救助される。
苦しまぎれにウルトラマンをミクロ化器で人間大まで縮小するが、たやすく元の大きさへ戻られたうえ、顔面へのストレートキックでダメージを負う。
最後は、透明化して逃亡を図ったところをウルトラマンにウルトラ眼光で暴かれ、再びスペシウム光線を受けて煙を上げながら墜落死した。
前述の通り多種多様な超能力を持っているが、戦闘力はかなり低く、肉弾戦ではウルトラマンはおろか地球人のムラマツにさえ呆気なく退けられている。
劇中では、271号のボスである別個体のダダが通信装置のスクリーンを通じて登場する。
271号はウルトラマンやムラマツたちの前では
「ダ・ダ…」
という声しか発しないが、この上司との会話では日本語を用いており、「ダダ時間」なる概念の存在が語られる。
主にこの上司は271号への指示や援助を行っており、代替のミクロ化器を転送したりウルトラマンの迎撃命令を出したりするが、部下の扱いはかなり荒く、ウルトラマンに敗れて一時撤退した271号に
「だめだ、ウルトラマンは強い」
と泣きつかれてもまったく意に介さず、人間標本の採集と転送を急ぐように命じていた。